終わらない原発事故と放射能汚染=「自主生産基準」策定に向けて
2011年5月17日
恐怖の東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故から、2ヶ月が過ぎました。原発事故関連の報道は日増しに少なくなり、脱原発の市民行動はほとんど無視されています。また私たち農業者は、売上の減少とこの先も生産が続けて行けるのか、悩みの中に置き去りにされています。暗雲ならば時間が経てばその内に晴れて来ようが、放射能の雲は目に見えぬまま辺りを覆ったままです。菅首相の「浜岡停止要請」もその他の原発の停止を否定する発言で冷や水を浴びせられた気持ちです。
当社「つくばの風」は、3月21日に「暫定出荷基準」を表明しました。それは、「大気中の放射線量が1μSv/hを継続して超えたら出荷を停止する」というものでした。同日、原子力災害特措法によりほうれん草、かき菜などが出荷停止となり、その後順次出荷停止を解除され今日に至っています。
行政によるモニタリングとその結果発表が不十分ななか、当農場では野菜の放射能測定し、
①ほうれん草(11番圃場 つくば市手子生73-1)==放射性ヨウ素7㏃/kg、放射性セシウム 検出せず
(4月26日採取、行政機関の手法に準じ水洗い)という結果を得ました。
また、筑波大アイソトープ総合センターの調査に協力する形で放射性降下物の土壌測定を行い、
② 14番圃場(つくば市手子生50-1)==ヨウ素(131 )2.9 Bq/kg セシウム(137Cs+134CS)15.6Bq/kg
③ 31番圃場(つくば市手子生847-1)== ヨウ素(131 )2.9 Bq/kg 放射性セシウム(137Cs+134CS)15.9 Bq/kg
(4/26採取、10cm×10cmの表土をサンプリング)という結果を得ました。
私たちは、毎日の農作業をする中で、自らが納得できる「生産(出荷)基準」とは何かと考え続けています。それは、外部被曝と内部被曝を総合的に考慮し、私たちが生産する野菜(勿論農薬・化学物質に汚染されない)を再定義し、自らが選択した「有機農業」を改めて確かなものにしようとすることです。
当農場で生産された有機人参や野菜でゲルソン療法を実践されている方々は、免疫力を高めることによってガンを克服しています。有機野菜は、放射能で傷ついた遺伝子を修復する効果も期待されています。農場スタッフの被曝リスク回避のために、自らも人参ジュースを摂取しながら生産活動に邁進します。
以上のような立場を明らかにし、常に原発事故の推移を監視しつつ、「暫定規制値」及びモニタリング値、自主検査などを勘案しながら、生産販売していく所存です。
オーガニックファームつくばの風(有)
代表 松岡尚孝