東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う「暫定生産基準」公表にあたって
2011年10月1日
農業生産法人 オーガニックファームつくばの風㈲
代表 松岡尚孝
当農場では、安全で美味しい野菜作りを基本として、地域の環境保全と共生をテーマに有機農業の推進拡大を進めてきました。日本の農業生産が衰退し耕作放棄地が増えていく中、有機農業を通して地域の再興に寄与できるものと確信し、生産活動に勤しんでいます。
2011年3月11日の「東日本大震災」による東京電力福島第一原子力発電所のメルトダウン事故は、約170km離れたつくば市にも放射性物質を降らせ、「かき菜」などの農産物は出荷停止となり、多くの作物が出荷できなくなりました。あれから半年過ぎた現在、空間線量は徐々に降下しつつも通常の倍程度で安定しています。測定した農場の生産物も、基本的に放射性セシウムは不検出となっています。しかしながら、県内には南部を中心に「ホットスポット」が存在し、市民の生活に影を落しているのも事実です。
政府が未だに「暫定規制値」を放置したまま食品の流通を行う中で、消費者の食品による内部被曝への不安や不信は消えていません。
先に発表した原発事故を踏まえた「自主生産基準策定に向けて」(5/17付)から、内部討議を進めて来ましたが、ここに「暫定生産基準」を定めることにしました。原発事故の収束と再度の放射能大量放出がないことを前提にした「基準」ですが、現状出来る限りの措置とご理解頂けると幸いです。
当農場は、原子力発電所と有機農業の共存は有り得ないとし、地域に置ける「脱原発」の活動にも参加、協力をして来ました。「脱原発」へ舵を切るかと思われた国の政策は、新首相によって、「減原発」等という曖昧な言葉で誤魔化そうとしています。「安全な原発など有り得ない」と訴えた福島の被災住民の声を真摯に受け止め、また福島を始めとする原発被災農民に寄り添いながら、これからの歩むべき方向を定めたいと思います。
測定結果、生産基準はこちら→http://www.tsukubanokaze.net/housyanou.html